出会い

父を追いかけ、そして離れて

海辺の港町碧南市で生まれ育ちました。私が生まれる前に他界した祖父は、石垣を積んだり海岸の堤防を築く為の石を切ったり、加工したりの石屋職人。間もなく石屋では生計が成り立たなくなり、父は建設業を創業。「地元で自営」の血が長田家にはあったようです。

バブル真っ只中の頃、浪人生でありながらバイクに夢中だった私の夢はレーサーになること。とてつもなくお金がかかる夢の為、アルバイト感覚で父の経営する長田建設に入社します。しかし、跡取りであることを自然に受け入れていたからでしょうか、自分も経営者であると思って働きました。

若い経営者の会にも所属し、活動しました。その中で「経営能力は遺伝しない」「親が強すぎると子供が萎縮してしまう」と感じ、その想いは「同族経営は良くない。会社は節目節目で生まれ変わる必要があるのに、血が流れず、体質が悪くなる。会社は生き物だ。」という大き過ぎる気づきへと変わりました。

プリンと新聞配達

実家は碧南市の洋服店で、オーダーメイドの紳士服を仕立てる父の仕事を、母も手伝っていました。両親はいつも忙しく、子供達でご飯を作らないと食べるものがないという状況の中で、自然とお料理をするようになりました。母が刻んでいった材料を見ては「何を作ろうとしていたんだろう」と想像力を膨らませて。身につけるものはもちろん何でも手作り。3人姉妹お揃いのブレザーやワンピース、セーラー服も母のお手製でした。

物心ついた頃から工業用の足踏みミシンが遊び道具でしたね。病弱だった私は、よく喘息で入院していました。入院する前に母に作ってもらった、卵・牛乳・砂糖だけのシンプルなプリン。おいしくてうれしくて、今でも忘れられない味です。

中学にあがると、病弱な自分にコンプレックスを感じ、「強くなりたい」と思うようになりました。心配する父から猛反対を受けながらもはじめた、新聞配達のアルバイト。冬になると知り合いのおじさんが毎週スキーに連れて行ってくれるのを何よりも楽しみにしていたので、貯めたお金でスキーの道具を揃えました。自分で1年と決めてやり遂げたことが大きな自信に繋がって、心身ともに丈夫になりました。貴重な体験をさせてもらったと今でも感謝しています。

誕生

建築の基本はコミュニケーション

長田建設を出て、かなり手広くやっている地元のゼネコンに就職しました。いろんな想いを経ての転職です。必死で働きました。建物が建つ土地の基礎をつくるという責任ある現場の経験を積み、またそこで働く職人たちと仲良くなる方法も習得しました。それは現場の最初の仕事を一緒にする、一緒に汗を流す、ことです。口で言うだけでは想いは人に伝わらないから。実はこれ、親父のやり方でもあるんです。

新しく建築部門がつくられることになり、責任あるポストにのしあがったものの、楽しみにしていた戸建て住宅新規プロジェクトが途中でストップ。ならば、自分でやろう、と。自分の会社を起す決心をしたのです。

眩しかった、父と夫

長田と出会ったとき、第一印象で病弱な私をいつもスキーに連れて行ってくれた、あのおじさんの活発な雰囲気とどこか似てるな、と感じたことを覚えています。キャンプ、サーキット、ドライブ、スキー…2人して色んなところへ出かけました。5年間の交際を経て結婚。結婚式のタキシードは、父が仕立ててくれました。

ちょっと早いんじゃない?とも思いましたが、私の父からの矢継ぎ早の質問全てに対して臆することなく答える姿を見たとき、不安は消えました。そこまで考えているのなら、私は黙ってついていこう、と。

「自分はサラリーマンとしてやっていく人間ではない」と常々口にしていた夫から、独立を決めたと聞いたときは、ついにその時が来た、という感じでしたね。
ちょっと早いんじゃない?とも思いましたが、私の父からの矢継ぎ早の質問全てに対して臆することなく答える姿を見たとき、不安は消えました。そこまで考えているのなら、私は黙ってついていこう、と。

想い

嘘はつきたくないから

一度は夢見たレーサー。自然の力に左右されるサーフィン。女心に翻弄される女子サッカーチームの監督・・・。他にも「いつ仕事しているの?」と不思議に思われるぐらい「趣味」というヤツをもっています。全ての趣味に共通するのは「極度の緊張感」。転ぶと怪我をします。大きい波が来たときは命の危険を感じます。真剣勝負に打ち込む女心も然り(笑)。だから集中力が必要。研ぎ澄まされた感覚が必要。いつも真剣勝負、いつも全力投球。この極限の感じがたまらなく楽しく、好きなんです。

そんな充実感、また心地よい疲労感をつつんでくれるのが私にとっては「家」であり、「家族」です。お客様に対しても真剣勝負でありたい。だから自宅をモデルルームにしました。職人さんとのコミュニケーションと同じで、口で言うだけではウッドノートの「家づくり」はお客様に伝わらない。ならば、私たちを丸ごとお見せしよう、そして判断していただこう、と思ったのです。

強味は主婦ならではの感性

長田は「儲けのため」とか「面倒くさい」といった考えが一切ない人。お客様の夢を叶えたい、という姿勢にはいつも感心させられます。いいものの短所までしっかりと伝えていて、時々こっちがドキッとするくらい。でもそういうところが信頼に繋がっているのかもしれませんね。使う素材も人も、「安いから」「地元の業者だから」という安易な理由では決して選ばない。だから自然と、熱い想いを持った方々に支えていただけているんだと思います。
お客様が来られると何時間でも話し込んでいた両親。幼い頃よく目にしていたその光景が、今そっくり私たちと重なります。新しいお家に住み始められたお客様に「ここが好き」「あそこが気に入ってるの」と言ってもらえるのが本当にうれしくて。父や母の想いがようやくわかってきました。これからもっとインテリアや雑貨のことを勉強して、私の主婦ならではの感性もウッドノートの強みにしたいなって思います。

WOODNOTE style

全力でお家を建てたい
それが、ウッドノートスタイル

家づくりに関して、嘘の情報が少なくない、と感じたりします。
科学的に証明されていないこと、イメージで訴えかけること。
夜遅くに営業の電話がかかってきたり、頻繁にDMが送られてきたり。
そんなことではなく、私たちの全てをきちんと伝わるカタチで出してウッドノートを好きになってくださった人たちに選んでいただけたら―。
それだけでいいな、と思います。
そして、私たちは全力でお家を建てたい。
それが、ウッドノートスタイルです。