住宅の構造体を支えるのが基礎
その基礎を支えるのが地盤です。
なので、地盤は家を一番下で支える重要な部分。僕の好きなサッカーでも足下の技術が大切なんですが住宅も足下の地盤って大切なんですね。いくら頑丈な構造体で頑丈な基礎でもそれを支える地盤が良くなかったら建物は傾いたり最悪倒壊してしまうんです。
でも現在の新築住宅は地盤の保証が義務付けられているんで、地盤調査を行い地盤が軟弱な場合は地盤改良を行います。
で、この肝心の地盤調査なのですが戸建て住宅では一般的にスウェーデン式サウンディングという方式で調査が行われます。
スウェーデン式サウンディングというのは上の画像の様なスクリューロッドに荷重をかけて回転させて地盤の堅さを測定する地盤調査方法で、比較的安価で行う事ができる一方ロッドがスクリュー状なので土質の採取ができずスクリューロッドの抵抗値と音で土質を推察しなければなりません。
こんな調査結果報告書が出てくるんですが、この結果を見ると蛍光ペンで印をした部分が地盤が軟弱になっています。
この物件で地盤が軟らかいのは訳があって、鉄骨の建物の基礎を取り壊した時に地面を大きく掘り返したので基礎があった部分だけ地盤が軟らかくなってしまっています。
僕は土木工事の施工管理の資格も経験もありますので、結果を元に付近の地形や過去の地図からその土地の特性を把握し地盤改良業者と相談して最適な地盤改良の工法を選定します。
ここが結構重要なところで、地盤改良の業者が地盤調査を行うと、必要でもない地盤改良を勧められたり、基本的に地盤改良工事は住宅の坪単価に含まれないのでかなり利益を乗せて工事費を請求される事もあります。
さらに悪いのは、建築業者に土木の専門知識をもった現場管理者や設計者は少なく、地盤改良については業者にお任せという所が多いんです。
「地盤の保証が付くんだったらどんな工法でも良いじゃん」
って思われるかかもしれませんが、地盤保証も地震や洪水等の災害時には適用されないんです。
地下水位が高く地震の時に液状化の可能性のある土質や、地震の揺れが増幅されるような土質では抵抗性のある地盤改良を選定しないといけません。
住宅建築では目に見える所の仕上がりも大切ですが、もっと大切なのは見えない所の工事をしっかりとやる事です。施工はもちろんの事、設計段階でも十分な知識と調査で公正で正確な検討ができているかどうか・・・建築会社を判断する一つの基準ではないでしょうか?